- 弦は自分で張れ、そして1か月に1回交換しろ
- 初心者はいきなり曲をやるな、まず基礎練習をやらないと変な癖が付く
- 1曲完全にマスターするまで他の曲はやるな
ギター経験者の方にアドバイスを求めたところ、上記のような事を言われたことはありませんか?
ギターを昔からやっている経験者の方々には、非常にストイックな方々が一定量いらっしゃいます。
このような方々はギターに対して非常にストイックな教え方や助言をする傾向にあり、技術が一定レベル身に付いている人にとってはちょうど良いのですが、これからギターを始めようとしている方には、非常に危険!!な場合があります。
なぜならギター初心者にとって最も重要なのは「継続すること」だからです。
「変な癖がつくから」と脅されて延々と基礎練習をやらされてつまらなくて辞めてしまう方はたくさんいらっしゃいます。みんながプロを目指すわけではありません。たとえ変な癖がついても楽しく続けた者が勝ちです。
ストイックな方々を否定するつもりは全くありません。あくまで超初心者の方にとって、経験者が良かれと思ってアドバイスしたストイック理論は時に大きなマイナスになる場合があるので、下記ご参考にしてください。
超初心者が信じてはいけない理論① 弦は自分で張れ
弦は自分で張れるようになっておけ。
ライブでも急に弦が切れる事があるから、その時に自分で対応できるようになってなければダメだ。
こちら最初によく言われました。
弦の張り方は結構難しいです。最初は上手くいかなくて何本も弦を無駄にしてしまった経験があります。
【結論】
張るのに自信がなかったら楽器店に持ち込んで張ってもらえば良いです。
(弦を買えば+500円程度払えば張ってもらえる店が多いです。)
弦を張るのがが面倒で続かなくなる、というのはもったいないです。500円程度なら払ってキレイに張ってもらいましょう。張り方はギターが軌道に乗ってから徐々に覚えればよいです。
大体まだギターが続くか続かないか、という初期的な段階で、ライブの時に弦が切れる心配をするのはあまりに時期尚早ですよね。 後からゆっくり覚えていけばよく、外注できるものは外注してしまいましょう!
(私も未だに面倒になったときは店に頼んでしまいます)
超初心者が信じてはいけない理論② 弦は月に一度交換しろ
弦は月に一度交換しろ。
2か月以上経つと音が鈍くなる上、サスティーンも短くなるし、チョーキングもやりづらくなる。
こちらもよく聞きます。
楽器店のサイト等では1~2か月で交換、を進めています。
【結論】
切れなければ3か月~半年程度張っておいても大丈夫です。
1~2か月で弦を交換しなければ・・・と心理的にも金銭的にも負担になるようでしたら、最初のうちはしばらく弦交換しなくても全く問題ありません。
さすがにサビが出るまでほっておくと、指板を傷める可能性があるのでやめた方が良いですが、最初から月に一度交換する必要はありません。
そもそも「サスティーンが・・・」とか「チョーキングが」と言われても、そもそも何それ?って感じかと思います。はっきり言って最初は弦の劣化による音質の変化など、まず聞き取れません。
このような負担をできるだけなくすことが超初心者が離陸するために非常に大切かと思います。
上級者や楽器屋さんに聞くと、1~2か月の交換を確実に薦められますので、ご注意ください。
(もちろん面倒でなければ頻繁に交換することは問題ありません)
超初心者が信じてはいけない理論③ いきなり曲をやるな
いきなり曲をやったらダメだ。 まずは基礎トレーニングから入れ。
変な癖が付いたら直すのに時間がかかる。
上手くなりたいならまずは基礎からだ。
プロのミュージシャン系の講師の方に多い理論です。
こちら間違いではない(むしろ正しい面もある)のですが、このブログで対象にしている層とは異なります。
下の図はこのサイトの対象者層を示した図になります。
このサイトは超初心者が順調に離陸するために必要な事に絞って書いているサイトです。
離陸した後は、ストイックな基礎トレも非常に有効でしょう。
ただ、まだ助走過程にある方にはこの理論は非常に危険です。
これはギター挫折の最大要因かもしれないと思っています。
ちょっと考えてみてください。
A:「変な癖」が付かないように、と目的の見えないストイックな基礎トレをやらされて挫折する
B:(上手い人が言う)「変な癖」が付いても、好きな曲が弾けてギターが楽しめるようになる
AとB、どちらを選びますか?
私は、例え変な癖が付いても続けた方が勝ちだと思います。
【結論】
基礎トレは否定しませんが、同時に何らかの曲を必ずやり、イメージを高めた方が良いです。
余程の志を持った方を除き、基礎トレ一辺倒の練習法は、目的が見えないので、かなりの高確率で挫折します。
修行僧のような練習を重ねてきた経験者の言う事は間違いではないですが、話半分程度に聞きましょう。
プロのミュージシャン系の講師はかなりハイレベルな所に目標を置いており、そもそもギターを楽しみたい超初心者にはフィットしない事が多いです。
ギターを始めた目的「カッコよく曲が弾きたい」という憧れを持ち続けることが絶対に大切です。
このサイトでも何度か紹介しているロンブー淳さんの動画をご覧になってください。
これをストイック理論の方々が見たらおそらくこう言うでしょう。
「指使いが間違っている」
「ストロークのパターンが云々」
「まず基礎練習から入るべき」 と。
(実際コメント欄にはいくつかこのようなコメントも散見されます)
この動画を見れば分かりますが、楽しんで1か月続けて、ある程度曲が弾けるようになった、この段階である意味勝ちです。
ここに至るまでに「変な癖が付く」という決めゼリフで脅されて、基礎トレと退屈な練習曲をやってみて指が痛くなってすぐに挫折、という人が多いと思いますので、このようなストイック論には本当にお気を付けください。
超初心者が信じてはいけない理論④ いきなりエレキをやるな
いきなりエレキギターをやってはダメだ。
まずはクラシックギターから入って、その次にアコギ、それで指の力が付いてからでなければエレキギターをやってはダメだ。
さすがに最近はかなり見なくなりましたが、私はこの理論に見事に引っ掛かりました。
これを信じてクラシックギターから入ったものの、押さえるのは大変だし、弦の張り方も分からないしで、挫折してしまいました。
ギターはやりたい種類から始めるのが一番です。
最初は指が痛くて苦労しますので、むしろ押さえやすいエレキギターから入るのは逆に効果的ではないかと思います。Fのようなバレーコードも断然音が出やすいです。
ミュージシャンの斉藤和義さんもこの理論を信じてたと何かのインタビューで言っていました。
昔は結構定説だったようですね。
超初心者が信じてはいけない理論④
1曲完全に仕上がるまで次の曲に進むな
次々色々な曲をやるな。
1曲が完全に仕上がってから次の曲に進まないと、いつまでたっても上達しないぞ。
こちらもよく言われています。絶対的な正解があるわけではありませんので、あくまで個人的な所感になりますが、
【結論】
最初は憧れの曲をベースにしながら、その他の曲をつまみ食いする練習方法はとても効果的
1曲仕上げるまで頑張り過ぎない
なぜなら、1曲完全に仕上げる事は想像以上に大変です。ずっと同じ曲ばかり弾いていると、「弾けてもいないのに飽きてしまう」事がよくあります。
また、1曲弾けただけで満足して燃え尽きて終わってしまう方もこのケースが多いかと思います。
やはり課題曲をベースにしながら別の曲を弾いて気分転換する事が効果的です。
別の曲のさわりやワンフレーズだけでも弾くことができると、
「この曲弾けそう!」
「次はこの曲やりたい!」
というような将来への展望が開けることがあるので、とてもおすすめです。
飽きっぽくて続かないのは問題ですが、1曲完成するまで頑張り過ぎない事はとても大事だと思います。
「1曲完全に仕上がるまで次の曲に進むな」というのは完全なストイック理論ですので、このブログの対象となる方々にはあまり合わないと思いますのでお気を付けください。
(ちなみに昔のピアノ教室がこのノリでした。)
ロンブー淳さんも課題曲をベースにしながら色々な曲を「つまみ食い」しながら進めていらっしゃいます。
下記ご参考までに。
超初心者が信じてはいけない理論④
「ライブの時に困る」という気の早すぎるメッセージ
・安いギターを買ったら「ライブの時に音の迫力が無いからちょっとね・・・」
・弦交換などギターのメンテナンスは全て自分でできないと「ライブの時に困るよ」
こちら経験者の方が本当によく言われるアドバイスです。
言われている事は正しいのですが、ちょっとよく考えてみてください。
これからギターを始めようとしている人、ギターを始めたばかりの人が、ライブが出来るようになるまでは一定レベルの期間がやはり必要になります。
ライブの心配は、ライブができるようになるレベルになってから考えれば大丈夫です。
たとえばダイエットを始めようとしている人が、経験者から「痩せたら今までの服が着れなくなっちゃうから、今の内にサイズの小さい服を用意しておけ」って言われているようなものです。痩せてから考えましょう。
たとえば最初少々安いギターを買ったとしても、ライブが出来るようになるレベルになったら、新しく買い替えれば良いと思います。
また、最近は以前のようなライブハウスでライブをやるだけではなく、YouTubeを始めとした表現のプラットフォームが多様化しています。以前と同じ価値観の意見からは一歩引いてみる事をおすすめします。
この「ライブの時に困る」という意見、本当によく聞きます。
初心者の方に大切なのは、まず「楽しく続ける」事です。ネットでギター関連の情報を出している方は、かなりの経験を持った方々が多く、ストイック系の方も尚多いですので、初心者の皆様はお気をつけください。