- ギターを始めたものの、コードが多すぎて全体像が見えない・・・
- dimとかsus4とか難しそうなコードが出てくるとさらに混乱・・・
- 「Fコード」のような難しそうなコードは回避して、覚えるべきコードを体系的に知りたい!
ギター初心者の方は最初数多くあるコードに圧倒されてしまいがちです。単発的に曲に出てくるコードは理解できても、中々全体像を把握することは難しいです。コードの数は膨大にあり、全てのコードを把握する事は最初あまり得策ではありませんので、ここではFコードのようなバレーコードを回避しつつ、ギター初心者がまず直面するコードを対象に画像付きで一挙紹介します。また、コードを体系的に整理していますので、全体像を把握したい方にもおすすめです。
最初はコード表記を見るのに慣れない方もいるかと思いますので、プレイヤー目線の手元画像付きにしています。スマホで見る方を意識して大きめ画像にしましたので、是非ご活用ください!
また、Fコードのようなバレーコードへの対応方法や、G/B のような分数表記、dim・sus4・aug、など難しそうなコード表記が出てきたときの対応方法も併せてご紹介します。
この記事を読めば、「Fコード」のような難しいコードを回避しつつ、ギター初心者にとって必要なコードが体系的に理解できるようになります! コードが思い出せなくなった時に都度都度ご覧いただければ幸いです!
コードの全体像を把握しよう
初心者がまず覚えておくべきコードの全体像は下記のような構成になっています。アルファベットのA~Gに対して、それぞれ〇M7(メジャーセブン)、〇7(セブンス)、〇m(マイナー)、〇m7(マイナーセブン)がそれぞれ付いてくる構成になっています。
ちょっと圧倒されるかもしれませんが、1曲の中で全てが出てくるわけではないので、曲を弾くときはこのうちの一部を活用する事になります。まずは全体像を理解いただければと思います。
赤字はFコードのようなバレーコードになり、難易度が高いため、簡易なコードに置き換えて整理をします。また、出現する頻度が低いコードは優先度低として整理すると、下記のようになります。
Fコードのようなバレーコードを回避するためにポイントは下記になります。やはりFをFM7に置き換える事に加え、嫌なBm・Bm7を大胆に「D」に置き換えてしまう事がとてもおすすめです。(曲によるのですが構成音が近いので、大きな違和感が無い場合もあります。)
- FはFM7に置き換える
- B・BM7は「B7」に置き換える
- BmとBm7は構成音が似ている「D」に置き換える
(曲によっては合わない場合もありますが、弾いてみて違和感ない場合は置き換え可) - CmとCm7は簡易な押さえ方に置き換える
- GmとGm7も簡易な押さえ方に置き換える
Fコードに代表される難しいバレーコードの代用については下記記事で詳しく解説しています。下記も併せてご覧ください。
先ほども解説した通り、1曲で全てのコードが出てくるわけではありませんので、Aから順番に押さえ方を練習、という事はしなくても大丈夫です。
好きな曲をベースにして、まずは押さえ方を一つずつ確認しながら進めてみてください。
ちなみに、コードを覚えるおすすめの順番は下記記事にて詳しく整理していますので、併せてご覧ください。
Fコードのような難しいコードを除き、簡単な曲を弾くために必要なコードをステップで整理しています。
Fコード以外のたった10個のコードで、15曲以上に対応することができます!
コードの押さえ方
Aの系列 (A / AM7/ A7/ Am/ Am7)
Aは頻出コードですが、Fコードのようなバレーコードもなく、どれも比較的押さえやすいコードばかりです。まずは確実にマスターしていきましょう。
A
AM7
あまり頻度は多くないのですが、簡単でおしゃれなコードです
A7
こちらブルース等でも多用されるカッコいいコードです! 押さえ方も簡単です!
Am
Amは頻度メチャクチャ高いです。簡単なので最初の方にマスターするコードになるかと思います。
Am7
こちらはAmの薬指を離しただけの形になりますね。
Bの系列(B / BM7/ B7/ Bm/ Bm7)
B系列はFコードのようなバレーコードもあり、難しいものが多いです。特にBmはよく出てきます。「この曲が弾きたい!」と思ったけどBmがあって断念・・・という事は非常によくあります。
代わりになるコードを記載しましたので、最初のうちはバレーコードを回避しながら練習しましょう。
B
これはギターを10年続けていても、未だに嫌な押さえ方ですね・・・。最初は相当難しいですので、次の「B7」を弾いてもおおよそフィットしますので、代替えしましょう。
B7
Bもこちらの押さえ方で大丈夫です。(若干響きは異なりますが、最初はこちらで代替えしましょう)
Bm・Bm7
こちらは頻出コードなのですが、難しいので、曲によっては思い切って「D」に代替えする事ができますので、一度試してみる事をお勧めします。弾いてみて違和感が無ければ代替えしてしまいましょう。
また、下記の押さえ方でも対応できますので、色々試してみてください。
これはB7の人差し指を除いた形、と言えば分かりやすいかと思います。または、もう一つの押さえ方として下記があります。
これは「パワーコード」と言われる押さえ方になります。
また、Amを2フレット右にずらした形、と言えば覚えやすいかと思います。
パワーコードについては、下記記事も併せてご覧ください。
Cの系列(C / CM7/ C7/ Cm/ Cm7)
おなじみ「C」のコードについては簡単ですが、「Cm」になると途端に難易度が上がりますので、代わりのコードを活用しましょう。それ以外の難易度は低いので大丈夫かと思います。
C
6弦は弾かない、と書いていますが弾いてしまっても特に大きな問題はありません。
CM7
「C」の人差し指を話すだけなので、とても簡単なのですが、非常に大人の雰囲気がするコードです。
C7
「C」に小指を加える形になります。「C」から「C7」につながげて展開するパターンが多いですね。
Cm・Cm7
こちらは「Bm」「Bm7」を右に1フレットずらした形になりますが、同様に難しいので、下記コードを代わりに使用しましょう。
こちらもBmで紹介した「パワーコード」と言われる押さえ方です。
※別記事で解説していますのでご参照ください。
また、Bmを2フレット右にずらした形、になりますので、Bmがマスターできれば流れで覚えやすいと思います。
Dの系列(D / DM7/ D7/ Dm/ Dm7)
「D」の系列はFコードのようなバレーコードがないので、「A」同様押さえやすいです。また、色々な曲で頻出しますので、最初のうちから練習して是非マスターしておきましょう。
D
こちらも頻出でありながら、最初は少々苦戦する方も多いコードです。(薬指の動きがスムーズにいくかがポイントになります)
DM7
こちら人差し指でベターっと押さえてしまいましょう。ちょっと指が痛いですが、比較的なんとかなると思います。難しければ次の「D7」を代わりに使っても大丈夫です。
D7
Dとは逆の三角形になっています。最初はDと少々混乱するかもしれませんが、慣れれば大丈夫です。
Dm
昭和の歌謡曲でよく出てくる暗い、哀愁のあるコードです。最近のJ-POPではあまり出てこないかもしれません。
Dm7
こちらDmに比べるとよく出てきます、Dm⇒G7⇒C の流れがよくあるパターンです。
Eの系列(E / EM7/ E7/ Em/ Em7)
「E」も「A」「D」と同じく、頻出でありながらバレーコードもなく押さえやすいです。確実にマスターしていきましょう。
E
こちらも基本、頻出コードです。難易度は低いので最初の方にマスターするコードになるかと思います。
EM7
こちら結構マニアックなコードになります。もしやりにくかったら先ほどの「E」で代替えしてしまっても大きな影響はないです。(簡単そうですが、意外と押さえにくいです)
E7
こちらは「E」の薬指を離した形です。簡単でカッコいい響きのコードです。
Em
こちらも「E」の人差し指を離した形です。簡単ですね。
Em7
これは今回紹介する中で最も簡単なコードですね。最初は曲の中でこのコードが出てくるとホッと安心した記憶があります。
Fの系列(F / FM7/ F7/ Fm/ Fm7)
出ました・・・。最難関のFコードになります。代わりのコードを記載していますので、最初のうちは何とかしのいでいきましょう。並行して根気よく練習すれば必ずできるようになります。あまりクリアな音が出なくても神経質になりすぎず続けてしまう事をお勧めします。
F
こちら有名な「F」になりますが、難しい場合は次の「FM7」で代替えしてしまいましょう。
FM7
こちら「Fコード」の代わりに活用も可能です。「Fコード」に比べ大人っぽい響きが特徴です。
F7・Fm・Fm7
こちらは頻出コードですが、ことごとくFコードのようなバレーコードになっております。このあたりのコード群がギター挫折の一因になっているのではないでしょうか。ここでは「パワーコード」と言われる押さえ方を続けて記載しましたので、押さえ方を練習する一方で、上手く回避しながら楽しんでもらえればと思います。
この3種類は思い切って下記の押さえ方にて代替えしてしまいましょう!
こちら6弦・5弦・4弦の3本だけを使って弾く方法です。
3本だけなので、微妙なトーンは表現できないのですが、流れを崩すことはないので、最初のうちは多用してとにかく一曲弾き切ってしまいましょう。
正式な「F」のように人差し指をベタ~っとするのを諦めて、6弦1フレットだけ人差し指で押さえた形になります。これで結構何とかなります。
Fコードに代表される難しいバレーコードの代用については下記記事で詳しく解説しています
Gの系列(G / GM7/ G7/ Gm/ Gm7)
「G」も頻出コードになりますが、「Gm」など一部を除き、Fコードのようなバレーコードは少ないので、比較的やりやすいかと思いますが、結構最初は「G」の小指に苦戦される方が多いので、意外に難しいコードかもしれません。
G
GM7
G7
Gm・Gm7
こちらはFコードのようなバレーコードなので、代わりのコードを追加で記載しておきます。
Fm・Fm7を右に2フレットずらした形になりますね。
こちら「Fm/Fm7の代わりのコード」として紹介したコードを右に2フレットずらすだけになります。
いかがでしたでしょうか。
ここに表記されたコードをまずは押さえておけば大丈夫です。列記すると非常に多くなってしまいますが、1曲の中でABCDEFGすべてのコードが出てくる事はありません。1曲あたり大体5~6コードで対応できる曲もたくさんありますので、こちらのサイト「簡単で有名な曲紹介」も併せてご覧ください。
その他コードの対応方法(dim・aug・sus4・分数コード等)
ここでは最初よくわからないdim・aug・sus4などの特殊な表記が出てきた場合の対応を解説します。通常のコードを代わりに使っても問題ないため、最初混乱してしまうようでしたら代替えして対応しましょう。
〇dim・〇aug・〇sus4・〇add9 等の表記が出てきた場合
そもそもこれらのややこしい表記は何を意味するのでしょうか??
たとえば「sus4」をネットで検索すると、
「メジャー、マイナーコードの3rdがルートから数えて完全4度の音程に変化したコードです。」
のような説明が出てきます。
はい。全く意味が分かりませんね(笑)。
完全な説明ではないかもしれませんが、Cなどの通常の和音の構成音のうち、1つだけ少し音をずらしたコード、というイメージで捉えてもらえればまずは大丈夫かと思います。
たとえば「C」はド、ミ、ソ ですが、「Csus4」はド、ファ、ソ になり、真ん中のミがファにずれています。ちょっとずらす事で印象的な響きを出す事ができて、覚えるととてもカッコよくてギターを弾くのが楽しくなるコードです。
ただ、最初は余裕がないですから、Cdim・Dsus4・・・など出てくると、最初難しい曲なの!?と構えてしまう事もあるかもしれませんが、こちらはズバリ・・・全て無視しても大丈夫です!
これらのコードが持つ味わいは失われてしまいますが、流れを壊す事はありませんので、最初は単純化してしまう事もおすすめです。
要するに
Cdim、C6、Caug、Csus4 等 が出てきたら
全て「C」で対応できる、という事です。
ただ、Dsus4⇒D、のように押さえ方が簡単でありながらカッコいい響きが出せるものもあるので、余裕があればどんどん対応していきましょう。
ちなみにスピッツの「涙がキラリ☆」のイントロは
Dsus4 ⇒ D ⇒Dadd9 ⇒ D の繰り返しです。
押さえ方はとても簡単なので、是非一度試してみてください!
分数コードについて
コードなどを調べるとよく出てくるのが「分数コード」と言われるコードです。
たとえば
D/F# や G/B といった表記です。 違う表記としてDonF#、GonB となっている場合もあります。
基本ベースライン(低い音)を表現するために、このようなコードで表現しているので、忠実に弾くととても良い流れになることが多いのですが、最初は無視してしまって大丈夫です。
基本左側にある分子側のコード、
D/F#だったら「D」
GonB だったら「G」を弾いておけば大丈夫です。
微妙なニュアンスは表現できないのですが、押さえ方の難易度が上がる場合もあるので、まずは単純化して対応してしまいましょう。
ストイック系の方の解説を見ると、「ベースラインを表現するために重要」とか、「作り手の意志がこもっているので省略してはいけない」なんて書かれているケースもありますが、最初は単純化して始めましょう。
細かい理論にこだわるよりも、まずは一曲弾き切ってしまった方がギターを続ける上では絶対に良いです!
コードを覚える順番について
かなりのボリュームになってしまいましたが、
こんなにたくさん覚えられるの? と不安になる方もいらっしゃるかと思います。
良く出てくるコードを中心に効率的に覚える事が大切です。下記記事にコードを覚える順番を整理しましたので、併せてご覧ください。
また、この記事で出てくるコードを覚えれば下記記事で紹介している22曲は全て弾くことが出来ます!