楽器・周辺機材

アコギ初心者こそ「ギブソン」をおすすめする理由

  • ギブソンって聞いたことあるけどどんなギター?
  • ネットではあまり良くない評判もあるけど・・・
  • カッコ良くて憧れるけど初心者には無理でしょ。

ギターにあまり詳しくない方でも「ギブソン」という名前は耳にしたことがあるかと思います。上級者向けのアイテムと思いがちですが、実はギター初心者こそ「ギブソン」を購入してしまうのは、ギターを継続する上で有力な選択肢かと思います。

私もギターを始めて最初2~3万円のギターを1年ほど使用した後、いきなりギブソンのギター(J-45:30万円超)を思い切って購入しました。

ギターがある程度軌道に乗ったタイミングで購入することは、さらなるモチベーションアップの意味で一つの手段です。また、意外にネックも握りやすく弾きやすいので、上級者でなければ使いこなせない、という事はなく、初心者こそ使って欲しいギターかと思っています。

この記事ではアコギ初心者にこそギブソンをおすすめする理由をご説明していきたいと思います。

ギブソンの音とは(アコギ)

百聞は一見にしかずで、下記動画をご覧ください。これがギブソンのアコギの音です。

ギブソン公式chより

決して綺麗な音ではないですが、かすれた・枯れた音がギブソンの特徴です。綺麗すぎないので、歌声を邪魔せずに弾き語りに特にフィットする特徴があります。

ギブソンについて

こちらギターに関心のない人でも聞いたことがあるくらい有名なブランドですが、プロのアーティストでも多数使用しています。また、ギブソン(アコギ)の中でも複数のモデルがあります。

ギブソン(アコギ)を使用している有名アーティスト

  • 吉田拓郎
  • 奥田民生
  • 北川悠仁(ゆず)
  • 山崎まさよし
  • 斉藤和義
  • 桑田佳祐
  • 高橋優
  • 秦基博
  • 藤原基央(BUMP OF CHICKEN)・・・他多数

こう見ると弾き語りで聴かせる系のアーティストが比較的多いですね。音が綺麗すぎないので、弾き語りの際に歌声を邪魔せずフィットする面があり、多くのアーティストに使用されています。

ギブソンの種類

ギブソン、といっても数多くの種類がありますが、比較的有名なモデルを一部紹介します。

J-45

ギブソンのアコギの中でNo1の売上を誇るモデルで、多くのアーティストが使用しています。

Workhorse「馬車馬のように頼りがいのあるギター」という異名を持つギターです。
下記動画も非常にギブソンらしいいい音が出ています!

Hummingbird(ハミングバード)

愛と美の象徴と言われるハチドリ(ハミングバード)がピックガードに描かれたモデルで、ルックス的に非常にインパクト大です。ボディもJ-45より若干大きいモデルとなっており、安定した音量のモデルです。元々弾き語り用に開発されたという説もあり、歌声にフィットしやすいサウンドが特徴です。

DOVE

ハミングバードの上位モデルとなっているのがDOVEでピックガードのデザインも似ているのですが、こちらは正確には「鳩と花」だそうです。

J-200

ギブソンの最上位クラスと言われているモデルです。「King of Frat tops」(フラットトップギターの王様)として存在感抜群です。ボディも他モデルと比べると大き目になっています。

アコギ初心者にこそギブソンをおすすめする理由

ネームバリューがあり、愛着が湧きやすい

幼稚な理由かもしれませんが、これはモチベーションアップに最適な理由です。有名なギタリストも使用していて、憧れの○○と同じ形!というだけでテンションが俄然違います。同じギターを使っている!という憧れ先行の方には是非おすすめします。

ちなみに私は斉藤和義さんの大ファンですので、黒のJ-45を迷わず購入しました。購入から7~8年経ちますが、全く後悔はなく、むしろ年々気に入っています。

ネットを検索すると「ギブソンなんてダメ」という方もたくさんいます。個体差が大きい・昔より品質が落ちた、というようなかなりマニアック視点からの理由がメインのようです。ただ正直な話、個体差とか、サスティーンがどうのとか、昔より品質が落ちたとか、初心者にはほとんど理解できない事ばかりなので、あまりマニアックなコメントは気にする必要は無いと思っています。

楽器屋で弾いてみて「欲しい!」と思ったらその感覚を信じる事が重要です。

握りやすく、弦高が低く、押さえやすい

J-45に関していえば、ネックはそれほど太くはなく、握りやすい形態です。

また、全般的に弦高も低いので、Fのようなコードでも比較的押さえやすく、最初握った時に驚いた事を記憶しています。

弦高とは、指板と弦の間の離れ具合を表現した用語で、一般的に低い方が弾きやすいと言われています。但し低ければ良いというものでものあく、サスティーン(音の響き・伸び)は高い方が良く、綺麗な音が出るとされています。

公式な図り方は無いのですが、一般的に12フレットで3mm以下が弾きやすいとされており、2.5mm程度が理想とされています。ちなみに保有している約9年間使用したJ-45の弦高を測った所、約2mm強となっていました。ほとんど整備などにも出していないにも関わらず低い弦高を維持できています。

音が綺麗すぎないので、ミスが目立ちにくい

綺麗な音色ではなく、かすれた・少し濁った音がギブソンの特徴ですので、人によって好みが大きく分かれますが、好きな人には非常にハマる音です。

また、全般的に濁り気味の音ですので、Fなどのバレーコードの音が綺麗に出なくても違和感が(若干)少ない、という隠れたメリットもあります。

煌びやかな音がするギターは、ミスが目立ちやすいですが、ギブソンは元々荒々しいイメージがありますので、多少テクニックは劣っても、気持ちや勢いで押していく事がしやすいギターという印象があります。

ギブソンを使用した演奏ではないかもしれませんが、ロバートジョンソンの演奏がギブソンの原点のイメージに近いかもしれません。完璧に、綺麗に演奏している訳ではないですが、味があり、惹きつけられます。

弾き語りにフィットしやすい

ギブソン使用アーティストには、弾き語り系の方々多く活用していることからも分かるように、音が綺麗過ぎないので、歌声にフィットしやすい面があります。

あと、これは文章で表現するのが難しいのですが、弾き語りの際のノリや歌とのフィット感が断然違います。テクニックはなくても、かき鳴らすのが楽しくなるギターです。

弾き語りであれば尚更細かい音にこだわる必要がありませんので、初心者の方こそ使用して欲しいギターだと感じています。

ギブソン(アコギ)のデメリット

作りが粗い

YAMAHA・Martin・ヤイリギターなどと比べ、かなり作りが粗いです。重量も軽く、持った感じは「えっ?これで30万?」という印象です。

私が購入したギターは、ピックガードが僅かに剝がれかけていました。店員さんに聞いたら「取れたら接着剤で貼れば大丈夫ですよ!」と言われ、昔のアメリカン的な発想だな~・・・と感じた記憶があります。メイドインジャパン的な品質を求める方はYAMAHAやヤイリギターの方が良いかもしれません。

しかし、7年ほど使用しているものの全然丈夫です。ペグのあたりも全く劣化なく、音質も変わらずで、結果として品質はとても安定していると感じます。

価格が高い

こちらは切実な問題ですが、やはり5~10万円程度で購入できるモデルはありません。ピックアップ(アンプにつなげるための器具)を付けると20~30万円近くかかると見ておいた方が良いです。

気軽に購入できる金額ではないので、最初のギターとして購入するのはリスク大なので、ある程度軌道に乗ってから2台目ギターとして購入することをおすすめします。

個体差がある(らしい)

音について当たり外れが激しいのがギブソンの特徴と言われています。

音の良し悪しについて説明されたブログをよく見かけますが、正直私にはそれ程気にする必要は無いと思っています。ギブソンについては否定的な方も数多くいますが、店で試奏して購入すれば全く問題ないと思います。

「音が悪い」
「作りが粗い」
「昔より品質が落ちた」  等

色々なネガティブコメントがありますが、かなり上級者の方の目線から見たコメントであることが多いようです。自分もそうですが、ハッキリ言って特に初心者の内は音の良し悪しなど大して分かりません。

試奏してみて気に入ったギターは誰がなんと言おうと自分にとっては「当たり」ですので、あまりネットのマニアックな評価を気にする必要はないと思います。

いかがでしたでしょうか。「何だかカッコいいな」「弾いてみたい!」と思ったら、細かいネットの批評は無視して迷わず楽器屋さんに行くことをお薦めします。ギターを続ける上で、愛着のあるギターを持つことは非常に重要ですので、ぜひご自身の感覚でギブソンの品質を感じてみてください!